Pseud プロパティ

IDL ではサービスがプロパティを定義します。そしてそのプロパティへのアクセスは css.beans.XPropertySet インターフェースを利用して行われます。これらは本物のプロパティです。

Psued プロパティとは要するに偽物のプロパティです。これらは言語バインディングの実装により産み出されるものです。
pseud プロパティは引数の無い getXXX メソッドまたは引数が一つの setXXX メソッドに対して作られます。Pseud プロパティ名は get や set を取り除いた部分になります。getXXX メソッドしかないときにはその pseud プロパティは読み込み専用であり、setXXX メソッドしかないときには書き込み専用です。

普通、言語バインディングはメソッドの呼び出しがあった場合に内部でそのメソッドを C++ レベルで実行します。このとき css.scripts.Invocation サービスを利用することができます。このサービスを利用すると名前を指定してメソッドを呼び出すことができるためランタイムで様々なメソッドを利用できます。
このサービスを利用する際に css.scripts.XInvocation2 インターフェースを利用するとオブジェクトからメソッドやプロパティの情報が得られます。これらの情報は引数や型に関する情報を含むため必要です。一方でこの情報のリストに pseud プロパティが含まれてきます。これが pseud プロパティが産み出される原因です。

(言語バインディングに依存しますが、)例えばドキュメントオブジェクトは Title という pseud プロパティを持っています。このプロパティはサービスで定義されておらず css.beans.XPropertySet インターフェースを利用してアクセスできません。getTitle メソッドおよび setTitle メソッドから作られたものです。そのため偽物と呼ばれます。

Pseud プロパティを利用すると一々メソッドを呼ぶ必要がなくて便利ですがそのプロパティを利用していた言語から別の言語に移ったときに注意が必要です。Pseud プロパティを利用できるかどうかは言語バインディングに依存しているためです。OOo Basic および Python では pseud プロパティは利用できますが Java、BeanShell、JavaScript では利用できません。

利用したいプロパティが本物かどうかは IDL Reference を参照する、または Object Inspector などを利用して確認します。