表の利用

表は構造化された情報を迅速に伝えるのに有効です。プレゼンテーションを作成する時には重要なツールです。OpenOffice.org バージョン 3.0 から Impress でも表の作成をサポートしています。もう Calc の表計算シートや Writer の表を埋め込む必要はありません。場合によっては Impress の表よりも機能的に優れた Calc の表が必要なこともあります。

作業ペインの表デザインセクションに定義済みの表のデザインを利用できます。

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作業ペインの表デザイン

表の作成

決まって表を利用して作業するときに注意しなければいけないことは、外観と雰囲気と同じく必要な行数と列数です。全パラメータは後から調整できますが、この操作は最初から的確な大きさを持った表を作成することと比べて非常に面倒です。表は次のようにして作成します。

  1. 表を挿入するスライドをワークスペースに表示します。表の位置を確保するためにスライドのレイアウトを変更する必要があるかもしれません。
  2. 作業ペインが開いているなら表デザインセクションを選択してください。作業ペインが表示されていなければ、表示 > 作業ペインを選択した後に表デザインを選択してください。
  3. 定義済みの 11 種類のスタイルから一つを選択します。後で色を変更できますが、利用したい色設定のものを選択することをお勧めします。スタイルを選択すると次のようなダイアログが開くので、列数と行数を指定してください。
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表の挿入ダイアログ(テーブルを挿入)

今作成した表はスライドの中央に配置されますが、選択して別の位置にドラッグしてより良い場所に移動できます。また、位置とサイズで説明する方法でも移動できます。

挿入 > を選択して直接表を作成することもできます。その場合にはデフォルトのスタイルと設定が適用されます。

表の編集

スライドを表に追加したら、作業ペインのオプションを組み合わせたり、表ツールバーと表のプロパティダイアログを利用して外観、サイズ、位置などを調整できます。

作業ペインのオプション

作業ペインの表示セクションでは次のようなオプションが利用できます。

  • ヘッダーの行、デフォルトで選択されています。最初の列に他の部分とは違う背景を追加します。
  • 行の総数、ヘッダと反対の位置の行、最後の行の背景を他とは違った設定にします。
  • 結合された行、デフォルトで選択されています。このオプションは行ごとのデータを見やすいように一行おきに違う背景色を設定します。
  • 最初の列、暗めの背景を設定して表の最初の列を強調します。
  • 最後の列、最初の列と同様の背景を最後の列に設定します。
  • 結合された列、選択すると一列おきに違う背景色を設定します。

ツールバー

表が選択されている、周囲に八つの青い四角形のハンドルが表示されている状態のとき表ツールバーが表示されます。必要に応じてこのツールバー表示 > ツールバー > から表示できます。デフォルトではこのツールバーはフロート状態ですがいつでもワークエリアの端または上にドッキングできます。

1表の作成 | 7 セルの結合 | 13 行の挿入
2 線スタイル | 8 セルの分割 | 14 列の挿入
3 外枠の色 | 9 最適化 | 15 行の削除
4 枠線 | 10 上揃え | 16 列の削除
5 塗りつぶしスタイル | 11 中央揃え | 17 表デザイン
6 塗りつぶし方法 | 12 下揃え | 18 表のプロパティ

ツールバーは表を操作する時に必要なほとんどのツールを提供しています。以下でそれぞれの機能について説明します。

表の作成

現在のスライドに新規の表を作成します。表の挿入ダイアログが開いて必要な行数と列数を指定できます。ボタンの右側にある小さな三角形をクリックすると表を挿入するグラフィカルなツールが開きます。マウスを右または下へ移動させて希望の行数と列数の位置でクリックします。

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グラフィカルツールでの 5 x 4 の表の作成
線スタイル

選択しているセルの線スタイルを変更します。多数の定義済み線スタイルから選択するダイアログが開きます。

外枠の色

選択しているセルの枠線の色を選択する色見本ダイアログが開きます。

枠線

定義済みの枠線設定から選択します。枠線は選択中のセルに適用されます。希望通りの枠線パターンがなければ表のプロパティダイアログを利用する必要があります。

塗りつぶしスタイル

まず、ドロップダウンメニューからセルの塗りつぶし方法を選択します。透明、色、グラデーション、ハッチング、ビットマップから選択できます。利用できる塗りつぶし方法のドロップダウンメニューの項目は塗りつぶしスタイルに応じて変化します。塗りつぶしスタイルの編集方法については 6 章画像オブジェクトの書式設定を参照してください。

セルの結合

選択したセル同士を結合します。結合したセルの内容も連結されることに注意してください。

セルの分割

セルの結合とは反対の操作です。分割したいセルにカーソルをおいてセルの分割ボタンを押すとセルを分割ダイアログが開きます。

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セルを分割ダイアログ

分割後のセル数を選択してください。また、分割する方向も選択してください。水平方向に分割した時には均一の高さにするオプションが選択できます。このオプションを選択すると分割後のセルの高さを同じにします。分割されたセルの内容は分割元のセルに留まります。

最適化

水平方向または垂直方向のどちらかに選択しているセルの幅を均等にします。表全体を最適化したければ、表の枠で右クリックしてポップアップメニューから > 均等分割または > 均等分割を選択して列または行のサイズを均等にできます。

垂直揃え

セル内でのテキストの垂直方向の配置を選択します。上、中央、下から選択できます。変更は選択したセルにのみ適用されます。配置の変更を表全体に対して行うには、表の枠で右クリックしてポップアップメニューのセルから希望の配置を選択します。

行と列の挿入と削除

表に列または行を挿入するときや、削除する時に表ツールバーを利用します。列と行は選択中のセルの下または右側に挿入されます。表の枠を右クリックして開くポップアップメニューから表の最後に列または行を追加できます。挿入の項目は列または行の項目の下にあります。

表デザイン

このボタンは作業ペインの表デザインセクションを開くためだけに利用します。

表のプロパティ

表のプロパティアイコンをクリックするとセルの書式設定ダイアログが開きます。

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セルの書式設定ダイアログの枠線ページ

このダイアログには次のページがあります。

  • フォント、利用できるオプションについてはフォントを参照してください。
  • フォント効果、利用できるオプションの詳細はフォント効果を参照してください。
  • 枠線、表ツールバーから利用できない詳細なプロパティを設定できます。テキストと枠線の間隔、個々の表の枠線スタイルを設定できます。このページは表ツールバーの外枠の色ボタンから変更できる線スタイルと同じオプションを提供しています。
  • 背景、選択したセルの背景を変更します。表ツールバーの塗りつぶしスタイルと塗りつぶし方法のドロップダウンと同じ機能を提供します。
tip 表のプロパティダイアログは表で右クリックしてポップアップメニューから表を選択しても開くことができます。
位置とサイズ

Impress での表は他の画像オブジェクトと同様に扱われます。したがって、スライド上での表の位置は同じように変更できます。同様に表のサイズもマウスで変更できます。微調整が必要であれば位置とサイズダイアログを利用してください。表の選択状態で F4 キーを押すと位置とサイズダイアログが開きます。または、表の上で右クリックしてポップアップメニューから位置とサイズを選択します。このダイアログで利用できる機能は 6 章画像オブジェクトの書式設定で説明します。

tip 他の画像オブジェクトとは違い、表は回転できません。
表の削除

表を選択してキーボードの Delete キーを押します。