PDF にエクスポート

OpenOffice.org Impress ではプレゼンテーションを PDF (ポータブルドキュメントフォーマット) にエクスポートできます。閲覧用の工業標準規格ファイルフォーマットは Adobe リーダーやその他の PDF ビューワで閲覧できるファイルを誰かに送るのに適しています。

手早く PDF にエクスポート

規定の PDF 設定でドキュメント全体をエクスポートするなら、直接 PDF にエクスポートアイコンをクリックしてください。ファイル名と PDF ファイルを保存する場所を尋ねられますが、ページの範囲や画像の圧縮形式などのオプションを設定することはできません。

PDF の内容と品質の制御

作成する PDF ファイルの内容と品質を制御するには、ファイル > PDF としてエクスポートを利用してください。PDF オプションダイアログが開きます。このダイアログにある5ページについてこのセクションで説明します。設定を選択してエクスポートをクリックしてください。すると、生成する PDF ファイル名と場所を尋ねられるので、保存をクリックしてファイルをエクスポートしてください。

PDF オプションダイアログの一般ページ

一般ページでは PDF に含めるページ (スライド) を選択したり、画像の圧縮形式 (PDF に表示される画像の品質に影響します) などのオプションがあります。PDF オプションダイアログの一般ページ

範囲セクション

  • すべて: ドキュメント全体をエクスポートします。
  • ページ指定: スライドの指定範囲をエクスポートします。3-6 (ページ 3 から 6) の形式で入力できます。単独のページをエクスポートしたければ 7;9;11 (7、9、11 ページ) の形式を利用してください。3-6;8;10;12 のような形式で一連のスライドと単独のスライドを組み合わせてエクスポートできます。
  • 選択した部分: 選択した項目をエクスポートします。

イメージセクション

  • ロスのない圧縮: 画像が欠落のない品質で保存されます。写真でこの設定を利用するとファイルサイズが大きくなる傾向があります。写真以外の画像におすすめします。
  • JPEG 圧縮: 品質を指定できます。90% の品質が写真に適切な傾向があります (ファイルサイズが小さく、わかりにくい程度の欠落)。
  • 画像の解像度を下げる: 低い DPI (解像度) の画像は品質が低下します。

プレビューが埋め込まれた EPS 画像についてはプレビューのみがエクスポートされます。プレビューの埋めこまれていない EPS 画像は空の枠のみがエクスポートされます。

一般セクション

  • PDF/A-1: PDF/A は 2005 年に制定された長期間保存用ドキュメントの ISO 国際標準規格です。表示を完全に再現するために様々な部品 (フォントなど) を埋め込みますが、他の要素 (フォーム、セキュリティ、暗号化) は利用できません。PDF/A-1 を選択すると利用不可の項目は灰色になって選択できなくなります。- タグ付き PDF: PDF タグとして特殊なタグをエクスポートします。タグの多くは目次、ハイパーリンク、コントロールに対してエクスポートされます。このオプションはファイルサイズをかなり大きくします。
  • PDF フォーム - 送信フォーマット: PDF ファイルに含める送信フォームの形式を選択します。この設定はドキュメントで設定したコントロールの URL を上書きします。PDF ドキュメント全体で一種類の設定しか利用できません。PDF (ドキュメント全体を送信)、FDF (コントロールの内容を送信)、HTML と XML が利用できます。大抵の場合、PDF フォーマットを選択することになるでしょう。
  • ブックマークの作成: スライド名をブックマークとしてエクスポートします。Adobe リーダーを含む多くの PDF リーダーで目次が表示されます。
  • コメントをエクスポート: コメントをスライドの後に付け加えてエクスポートします。
  • 自動的に挿入された空白ページをエクスポート: Impress では利用しません。
PDF オプションダイアログの初期値ページ

初期値ページでは PDF ビューワで PDF ファイルを開いたときの既定値を設定できます。各項目の内容は明白です。初期値ページ

PDF オプションダイアログのユーザーインターフェースページ

ユーザーインターフェースページではさらに PDF ビューワをコントロールする設定が選択できます。これらの設定は PDF ファイルをプレゼンテーションやフルスクリーンディスプレイ用に作成するときに特に役立ちます。ユーザーインターフェースページ

ウィンドウオプションセクション

  • 初期ページに合わせてウィンドウサイズを変更。PDF の最初のページに PDF ビューワのサイズを合わせるようにします。
  • ウィンドウを画面の中央に揃える。PDF ビューワウィンドウをコンピュータの画面の中央に移動させるようにします。
  • 全画面モードで開く。PDF ビューワを小さいウィンドウで開く代わりにフルスクリーンで開きます。
  • ドキュメントタイトルを表示。PDF ビューワでタイトルバーにドキュメントのタイトルを表示させるようにします。

ユーザーインターフェースオプションセクション

  • メニューバーを非表示。PDF ビューワにメニューバーを非表示にさせるようにします。
  • ツールバーを非表示。PDF ビューワにツールバーを非表示にさせるようにします。
  • ウィンドウコントロールを非表示。PDF ビューワにその他のウィンドウコントロールを非表示にするようにします。

切り替えセクション

Impress スライド切り替え効果を対応する PDF 効果としてエクスポートします。

ブックマークセクション

一般ページでブックマークをエクスポートが選択されているとき、いくつの見出しレベルまでブックマークとして保存するかを選択します。PDF オプションダイアログのリンクページ

このページでは PDF でリンクのエクスポート方法を選択します。

PDF オプションダイアログのリンクページ

ブックマークを指定した宛先としてエクスポート。

スライド名を定義してある場合、このオプションはスライド名をウェブページや PDF ドキュメントがリンクできるように宛先としてエクスポートします。

ドキュメントの参照を PDF ターゲットに変換

このオプションを選択すると、他の OpenDocument ファイルフォーマット (.ODT、.ODS、.ODP など) へのリンクを エクスポートした PDF ドキュメント中でファイル名の拡張子を .PDF に変換します。

ファイルシステムに関連した URL をエクスポート

ドキュメント中で相対リンクを定義している場合、このオプションを選択すると PDF ファイルにそのままエクスポートします。

クロスドキュメントリンクセクション

PDF ファイルでリンクをクリックしたときの挙動を指定します。

PDF オプションダイアログのセキュリティページ

PDF エクスポートでは PDF の暗号化オプション (パスワードなしで開けなくなります) とデジタル著作権管理機能を提供しています。

ファイルを開くパスワードを設定すると、パスワードを入力しないと PDF を開けなくなります。パスワードを入力して一度開くと、ユーザーにはなんの制限もありません。たとえば、印刷、コピーや変更などの操作に制限はありません。制限パスワードを設定すると、誰でもファイルを開くことはできますが、様々な制限が掛かります。開くパスワードと制限パスワードの両方を設定すると、PDF ファイルは正しいパスワードでしか開けなくなり、操作にも制限が掛かります。

PDF オプションページのセキュリティページ

制限設定はユーザーの PDF ビューワが設定を順守するときのみ効果があります。

以下の図は PDF オプションダイアログのセキュリティページでパスワードを設定するときに開くダイアログです。

制限用のパスワードを設定した後、セキュリティページの他の項目が利用できるようになります。これらのオプションの内容は明白です。

PDF の暗号化パスワードを設定